自賠責保険とはどんな保険?

≪交通事故の被害者を守るための保険≫車の写真

自賠責保険とは強制保険とも呼ばれ、自動車損害賠償保障法に基づき、すべての車やバイクの所有者は強制的に加入が義務付けられている保険です。

被害者の最低限の治療費や補償を確保するための保険が「自動車損害賠償責任保険」略して「自賠責保険」と呼ばれています。

自賠責保険は対人賠償に限られ、物損事故の補償はされません。傷害事故は120万円まで、死亡事故は3000万円まで、その他後遺障害に対する補償など被害者が最低限の賠償を受けられるようになっています。
損害額が自賠責保険の限度額を超える場合、加害者加入の任意保険または加害者が補償を行います。

傷害に対する自賠責保険の保障内容

被害者1名につき 120万円を限度に以下の内容が支払われます

●治療関係費
治療費・・・診察料、通院費、入院費、手術料、投薬料、処置料など
看護料・・・入院中の看護で原則12歳以下の子供に近親者が付き添った場合 1日4,100円
医師が看護の必要性を認めた場合の自宅看護料または通院看護料 1日2,050円
諸雑費・・・入院中に要した雑費 1日1,100円
通院交通費・・・通院に要した交通費
義肢等の費用・・・義肢、義眼、メガネ(コンタクトレンズ)、補聴器、松葉杖などの費用
診断書等の費用・・・診断書や診療報酬明細書などの発行手数料

●文書料
交通事故証明書、印鑑証明、住民票などの発行手数料

●休業補償
事故がなければ働いて得られたであろう給料等の補償(有給休暇の使用や家事従事者も含む)
基本的に1日5700円

●傷害慰謝料
交通事故によって被った肉体的苦痛、精神的苦痛に対して支払われます
通院日数や通院期間に応じて1日4,200円

≪傷害慰謝料の対象となる日数の算出方法≫
①実治療日数(実際に治療のために医療機関に通院した日数)×2
②治療期間(治療開始日から治療終了日までの日数)
①と②の日数の少ない方を採用します。

例えば、むち打ちと診断されて通院し「実際に通院した日数が40日間」「治療した期間が100日」だった場合
①治療実日数「40日」×2=80日
②治療期間 100日
「80日」の方が少ないので①が採用され、1日4,200円×80日=33万6,000円という計算になります。


任意保険とはどんな保険?

人物の両手の写真≪自賠責で保障されない部分を補う保険≫

任意保険とは、各保険会社で加入する自動車保険のことです。加入は自由ですが、現在は自動車を所有する多くの人が加入しています。

人身事故による損害額が自賠責保険の限度額を超えた場合、例えば死亡による損害額が6000万円で、このうち自賠責保険で3000万が支払われた時、残りの3000万円は加害者自身の負担になります。
また、物損事故や自分だけの過失でケガをした時は、自賠責保険では補償されません。

このよう場合、任意保険に入っていれば契約の内容に応じた補償を受けることができます。